不動在庫とは、英語ではデッドストック(dead stock)と呼ばれています。
その名前通り、ずばり、不動在庫とは「動かない在庫」のこと。
わかりやすく具体的に言うと、長い期間、工場や倉庫などの在庫保管場所で販売・出荷・使用されずに、残っている在庫です。
なお、不動在庫は、停滞在庫や不良在庫とも呼ばれ、ほぼ同じ意味合いで使われています。
医薬品の不動在庫の買取・販売
まずは、先に医薬品の不動在庫を処理する対策として実際に多くの薬局や病院が利用しているサービスをいくつかご紹介します。
二次流通サービス:モーリコーポレーション株式会社
卸、調剤薬局の『不動在庫』を買い取りし、販売している。 特徴としては国内だけでなく海外展開している企業なので販路が広いので売れなく「廃棄」となることが少ない。
上記のようなサービスの利用が、不動在庫からの医薬品廃棄ロスや経営圧迫といった課題解消に。
在庫不足は売上の減少に、過剰在庫は倉庫スペースの圧迫や在庫ロスに繋がるため、在庫管理は必要不可欠な業務です。
新型コロナウイルス、人手不足などさまざまな問題に直面している状況下において、いかに効率化して正確に在庫管理を行うことができるかが重要となります。
不動在庫と滞留在庫の違い
不動在庫と似た用語に滞留在庫があります。一見、同じような意味合いのように思えますが、両者には違いがあります。
不動在庫は、すでにご紹介した通り、「動かない在庫」のことですが、まだ売れる(使用する)可能性・見込みがある在庫です。
滞留在庫も長い期間動かない在庫であることに変わりはありませんが、賞味期限(使用期限)が迫っていたり、品質の劣化や損傷により、売れる(使用する)可能性・見込みがない在庫のことを指します。
不動在庫の原因・理由
不動在庫が発生する具体的な原因・理由には、次のようなものが挙げられます。
・品切れによる販売(提供)ロス=機会損失を少なくしたい
・原材料や部品がなくて生産ができなくなるのを避けたい
・他社との競合を意識してしまい、多く生産してしまう
・需要予測(顧客ニーズ)を把握していない
・流行の変化によるモデルチェンジ・バージョンアップで旧バージョンが売れない
・そもそも在庫の正確な数を把握できていない
過剰な販売計画による過剰生産
このような理由から、多めに生産・製造してしまったり、発注ミスをすることが不動在庫につながります。
不動在庫のデメリット
不動在庫が発生し、抱えてしまうことは以下のような多くのデメリットを生みます。
・不動在庫を処理する手間とコスト
・収益悪化による経営圧迫
・棚卸資産として形状しなければならないため、税金がかかる
・在庫回転率の悪化・キャッシュフロー(現金や預金の流れ)の悪化
このように多くのデメリットを生んでしまう不動在庫。次の章では、不動在庫を減らす・処理する方法をご紹介します。
不動在庫を減らす方法・処理
では、抱えてしまった不動在庫を減らす・処理する方法と対策を見ていきましょう。
不動在庫をなくす方法とは
・棚卸の頻度と精度を上げる(在庫管理システムなどを導入する)
・発生する原因を見つけ、改善策を練り、実行する
・消費期限(賞味期限)前に、セールを実施して販売する
・廃棄処分する
・業者に買い取りしてもらう
*このように不動在庫を発生させない対策を講じる、発生してしまった不動在庫は販売や買取などで上手に処理することが重要です。
薬局における医薬品の不動在庫とは
ここまで製造業や小売業などにおける不動在庫について解説してきましたが、薬局の経営を大きく圧迫することになるため、医療業界では大きな課題となっている医薬品の不動在庫についてもご紹介しておきます。
薬局における不動在庫とは、処方されずに使用期限まで調剤室の棚などの保存場所を占有し、最終的に薬剤の廃棄ロスにつながる可能性の高い在庫のことを指します。
厚生労働省の調査では、薬局に保存されている医薬品が使用期限を迎えて廃棄されるリスクは、年間約280億円といわれています。
医薬品の不動在庫が増える理由
では、なぜ医薬品の不動在庫は増えてしまうのでしょう。主な理由として挙げられるのは以下の通り。
処方箋や医師・看護師・スタッフなどと情報を共有しながら、発注・保管する医薬品の品目や数量を決めるのが一般的ですが、この工程において、
・処方できずに、患者に迷惑がかかるリスクを恐れ、余分に在庫を持ってしまう
・手書きやエクセル管理などによる人為的発注ミス
・医薬品は販売包装単位ずつの購入が原則とされており、開封済みの医薬品は品質管理上、返品が難しい
・処方する予定の患者が来院しなくなってしまった
・症状が異なり、これまでと違う処方に変更してしまった
…などといった理由で不動在庫が増えてしまうようです。
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