影(シャドウ)の具体例3選を紹介-医療系【ユング心理学】

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7:医療研究中2025.06.25(Wed)

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あなたの心のどこかにひそむ、暗黒の側面とは?
医療系の心理学による、シャドウ、あるいは影とは何か?
シャドウとは、あなたがオギャアと生まれてから現在までの心の成長のプロセスのなかで、「こんなものは自分ではない!」として、切り捨ててきた人格(基本的な行動パターン)の諸要素のことです。
あるいは、あなたの日常の生活において、生かされていない、性格の側面のことです。
例えば、社交的な人にとっての内向的な人であったり、科学万能主義的な人にとっての宗教従事者であったりします。
それはいまだに、自分の性格のいち要素として統合されていません。
無意識的で、未発達な性格の要素は、すべてシャドウといえます。
この心の図でいうと、こちらのことです。
エネルギー(リビドー)の強烈なシャドウコンプレックスは、偏見や嫌悪感、嫉妬やイジメとも関係している場合も多くあります。
それでは今から、心のどこかに影を潜めているシャドウが活性化したときの、具体的な例を3つあげましょう。
具体例その1)
例えば、あなたが一人で薄暗いトンネルを歩いている時に、向こうから、ナイフらしきものを持った人影がこちらに向かって歩いてきていることに気づいたら、あなたは何を思うでしょうか?
「もしかすると、あいつは凶悪犯かもしれない!と思い、心拍数が上がって自分の身に危険を感じるかもしれません。
ですが実際に近くでよくみてみると、それはナイフではなく、野菜を持った心のやさしい農家のおじさんであったりします。
さっきまでは、ナイフを持った凶悪犯かもという、実際にはいない人物像を見ていたので、あなたはそのとき、自分自身のシャドウを、優しいそのおじさんに投影していた、ということになります。
もし、あなたが女性の場合は、優しそうな農家のおばさんならシャドウの投影かもしれません。
具体例その2)
あなたが一人で電車に乗っているときに、近くにマッチョでサングラスをかけた外国人が立っていたとします。
その時に、「もしもヤバい犯罪者だったらどうしよう」と思ってビクビクしてたら、実は彼は、子どもにプレゼントを配るボランティアをしている家族思いの、良いやつだったということが分かります。
犯罪歴などないのに、なぜそのように見えてしまったのか?、それは、あなたの心のどこかにある、心理学的なシャドウが活性化してしまっていたからだと考えられます。
もし、あなたが女性の場合、いかついサングラスの女性ならシャドウの投影かもしれません。
具体例その3)
また、もしもあなたが小学生の時に転校したとします。
すると初日に、4人の友だちができたのですが、そのなかのAくんは、メガネをかけたガリ勉で、Bくんは坊主頭の野球少年です。Cくんは貧乏そうな服を着ている男子で、Dくんはお金持ちのおぼっちゃまです。
そのとき、一般的なよくある傾向としては、まだ初対面なので、外見で判断している状況にあるのですが、Aくんには、あなた自身が無意識のどこかに持っている、おとなしそうなガリべん的な性格の要素を、彼に投影します。Bくんには、自分自身のやんちゃそうな性格の要素を投影し、Cくんには自分自身の貧乏そうな性格の要素を、Dくんには自分自身のインテリジェンスな性格の要素を投影します。
その時はまだ初対面に近いので、自分の内的な影を通して判断するしかない状況でしたが、一緒に過ごす時間が経てば経つほど、本当のその人が分かってきます。
「あれ?Aくんはガリべんだけどユーモアもあるな。Bくんはあんがい傷付きやすくてナイーブなのかな。Cくんは貧しいけど食べ物を人に分け与えてるな。Dくんはお金持ちだけど泥遊びが大好きなんだ」というようにです。
もしあなたが女性の場合は、その友だち4人が女性ならシャドウの投影かもしれません。
シャドウの活性化は、あなたのよく知らない、初対面の同性の人物に対して起こりやすく、仲良しの、昔からよく知っている人物ほど、起こりにくい傾向があります。
そして、ユング心理学を日本に持ち込んだ河合隼雄先生は「無意識の構造」という本の94ページで、このように言ってます。
「影には個人的影と普遍的影とがある。個人的影は人によって異なるが、普遍的影は、例えば殺人などのように、人類共通に有してるもので、悪の概念に近いものである。個人的影の存在を認め、それを自我に統合してゆくこともなかなかのことであるが、普遍的影となると、ほとんど不可能に近い。」
今回の場合、具体例1は、普遍的な影に近いものであり、具体例3は、個人的な影といえます。
具体例2は、その中間ぐらいです。
また、寝ているときに見る夢のなかでは、シャドウは、治安の悪い国の、同性の外国人や、同性のホームレス、または同性の精神病者や身体障害者、あるいは、ふだんから嫌いな同性の人物や、背後から追いかけてくる謎の誰かなどの姿で、登場する場合があります。
そして、ユング先生の弟子であるフォンフランツによると、このようなときに感じる影の約75%は、肯定的な良い性格の要素であり、自分の性格の一部に統合すべきシャドウであると言います。
なのでもしも、このような自分自身の影が活性化したときは、75%の可能性で悪い奴ではないと考えて差し支えないでしょう。
ですがあとの25%は、本当に凶悪な犯罪者などの、悪い性格の要素なので、その場合はシャドウのまま無意識の奥深くに切り捨てておいたほうが妥当でしょう。
シャドウは、基本的に、恐怖感や不快感、あるいは気持ち悪さなどの否定的な情動性を伴う、否定的な心の働きとなる場合が多くあります。
そんなシャドウは、打ち消そうとするのではなく、認めることで、力を失います。
「自分のネガティブ感情を否定しないこと」
「なぜそう感じたのか?その情動性やイメージを内省すること」
「自分のシャドウは、他人に投影してないかチェックすること」
それらを行うことで、否定的なシャドウは、豊かな創造性や、共感力に変わる場合もあります。
このことは、ユング先生のいう「個性化のプロセス」つまり「本当の自分となるための心の旅」であるといえます。
ちなみに、このような個性化のプロセスは、「ユングの迷宮、(Jung’s Labyrinth)」という、ゲームにもなっています。
さて今回の動画はいかがだったでしょうか?
もしよろしければ、チャンネル登録やコメントをお願いします。
ちゃんと、歯を、磨いてから、寝ましょうね。
〜完〜

・企画/台本/編集:鈴木めいや
・動画制作アシスト:十一 六助
・ナレーション:ボイスゲート

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コメント

  1. 医療系●評価シートが自在につくれる●相手によって見えてはいけないところは隠せる●誰がどこまで進んだか一覧で見れる●一度流れをつくれば半自動で運用できる●全体のバランスを見て甘辛調整も可能